「Nagoya One Minute Farm」は、名古屋の都市部に「食べられる緑」を広げる事で、農のあるくらしの実現を目指すプロジェクトです。2024年1月28日に種まき体験等の農文化に気軽に触れられる企画を行い、リニア開業を見据えたまちづくりが検討されている名駅三丁目における都市農園の可能性を検証します。本プロジェクトは、名古屋市(名古屋市住宅都市局)が主催する、実践学習型まちづくりプログラム「Poc up スクール NAGOYA」の関連活動です。
就農者の高齢化・成り手不足は名古屋でも生じています。農家は5年間で26.7%減少し2020年度時点で2千戸弱となり、65歳以上の個人農家が72.3%を占めています。また、都市化とともに農地も激減しており、農業に触れる機会が失われています。近年では年間66.5ha(鶴舞公園2.8個分)のペースで減少しており、現在の農地面積は市域のわずか1.7%(557.9ha)です*1)。そして、日本の食料自給率(カロリーベース)は38%、愛知県は12%、名古屋市は1%未満となっています。つまり、私たち名古屋市民の食は、ほぼすべてを市外と海外に依存しており、遠方から運搬する輸送エネルギーの消費により環境負荷をかけ続けていると言えます。そんな中、発足したのが「Nagoya One Minute Farm」プロジェクトです。*1) 令和4年版名古屋市統計年鑑(農業)
本プロジェクトは、イギリスのエディブルガーデン*2)に参加した経験のある者が発起人となり、名古屋駅前の花壇で野菜を育てたニュースに感銘を受けた者や、名古屋駅前のまちづくりに関わる者等が集まって始まりました。私たちは「すべての育てたい人が、育てたい場所で、育てられますように。」をコンセプトに、日常のすぐ近くに「食べられる緑」を都市の隙間に広げる事で、都市部で生活する誰もが徒歩1分で農園にアクセスできるような、農あるくらしを思い描いています。
*2)エディブルガーデン:野菜やハーブ、果物等の食べられる植物を主体に植えられた庭や菜園。
日常生活のすぐ近くにある緑のひとつに歩道の街路樹があります。名古屋市は全国トップクラスの街路樹本数(約9万7千本)を有しており、その街路樹の面積179haは名古屋市の農地の約30%に相当します。一方で、植栽後40年以上を経過するものが増え、その一部には大木化や老木化、生育環境の悪化による倒木や落枝等が発生しています。名古屋市は、街路樹再生への転換期を迎えているとされており、再生方針には「地域主体での花壇づくりや樹木の保全」「地域の住民や事業者が維持管理に関わる事ができる取り組み」があげられています*3)。
地域や名古屋市と連携しながら、くらしの近くにある歩道の花壇、建物の屋上や空き地を農園に変化させ、将来的には名駅〜名古屋城〜栄〜大須へと「食べられる緑」をつなげる事で、新たな都市風景の創出を目指します。「食べられる緑」は、次世代を担う子供たちが農や食への関心を高める場になり、多様な生物のすみかとなるほか、ヒートアイランド現象*4)を緩和する等の効果が期待されます。
*4)ヒートアイランド現象:郊外に囲まれた都市部の気温が島状に高くなる現象。
私たちは、たくさんの人が集まる名駅三丁目において、農文化に触れられる企画を開催する事で「みんなで土を作り、種から作物を育て、みんなで食べる」活動のサイクルをつくる事を目指しています。現在、名駅三丁目から農文化を広げる企画(近隣店舗の生ごみから土作り、種まき祭、収穫祭、野菜販売所、地元農家さんとの交流会等)を検討しています。
今回は、種まき体験等の農文化に気軽に触れられる企画を行い、リニア開業を見据えたまちづくりが検討されている名駅三丁目における都市農園の可能性を検証します。
【日時】 2024年1月28日(日)11:00〜16:00
【会場】 〒450-0002 中村区名駅三丁目17番19号(UR都市機構所有地)
【内容】 プロジェクト紹介、種まき体験、ハーブドリンク試飲、コンポスト展示等
本プロジェクトを実現するためには、共感してもらえるたくさんのメンバーが必要です。ご興味のある方は、お気軽にご連絡ください。
<お問い合わせ先> 「Nagoya One Minute Farm」プロジェクト 担当窓口: 小林 TEL☎: 090-6368-6363 mail✉: nogoya1minutefarm@gmail.com instagram: @nagoyaoneminutefarm 「Poc up スクール NAGOYA」 企画運営:株式会社On-Co 藤田 TEL☎: 080-7704-1568 mail✉: support@on-co.co |